キリスト教の問題点について考える

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ルツとナオミ

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Women of the Bible – Ruth

 

ルツとナオミは、旧約聖書ルツ記」の登場人物です。ナオミから見てルツは嫁、ルツから見るとナオミは姑、ということになります。

「ナオミ」という名前は日本女性の名前として親和的であるということもあって、キリスト教徒が、このナオミを意識して女子に「直美」などと命名することがあるようです。実際、我が家の親族にもその名前の女子があります。

旧約聖書の登場人物ではありますが、ルツは新約聖書にも登場します。見てみましょう。

マタイによる福音書 1:5-6

サルモンはラハブによるボアズの父、ボアズはルツによるオベデの父、オベデはエッサイの父、エッサイはダビデ王の父であった。 

ナオミは、ルツが寡婦となったとき、再婚して新生活を始めることを勧めますが、ルツはナオミとともに夫の故郷であるユダへ帰り、夫の遠縁に当たるボアズとのレビラト婚 を果たして息子オベデを出産し、血脈をエッサイへと繋ぐ手助けを行ったわけです。

過去記事、

christian-unabridged-dict.hatenablog.com

も合わせてお読みください。

ユダヤ教の価値観によれば、異教徒であるモアブ人の女であっても、イスラエルの歴史に資するものであれば、この書のように「メシア」として扱うのだということです。

メシア(キリスト)とは、「世界を救う救世主」ではなくて、イスラエルを導く「指導者」、または「功労者」、を意味するタイトルであって、人間に与えられるものです。

ルツ記には、神は異教徒をも用いられるということ、イスラエルイスラエルだけで完全に成立するわけではない、という現実から目を反らしてはならない、というイスラエルの精神が記録されているのです。

キリスト教徒がキリスト教の精神性に応用すること、はできていないようですけれど。