キリスト教大辞典

キリスト教の問題点について考える

伝統的教派プロテスタント信徒が運営するキリスト教批判ブログです

福音派原理主義者の価値観

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創世記に登場する「ノアの箱舟」のお話はみなさんもよくご存知だと思います。上に貼った記事は、アメリカの原理主義者たちが、その「ノアの箱舟」を、聖書に記された寸法通りに再現した、ということを伝える記事です。

記事から引用してみましょう。

箱舟博物館建設を計画したキリスト教原理主義者のグループ「答えは創世記に」の創始者ケン・ハム(64)は、米紙ニューヨーク・タイムズにこう語っている。
ノアの箱舟は、ディズニーのようなテーマパークではない。これを造ったのは、宗教的な理由だ。キリスト教信者としてメッセージを伝えるために造った」

「宗教的な理由」によってこの箱舟を作ったのだ、と言っていますね。それでは、創世記 9:9-11 を読んでみましょう。

「わたしはあなたがた及びあなたがたの後の子孫と契約を立てる。またあなたがたと共にいるすべての生き物、あなたがたと共にいる鳥、家畜、地のすべての獣、すなわち、すべて箱舟から出たものは、地のすべての獣にいたるまで、わたしはそれと契約を立てよう。わたしがあなたがたと立てるこの契約により、すべて肉なる者は、もはや洪水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであろう」。

神自身が「すべて肉なる者は、もはや洪水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであろう」と言っています。人を滅ぼす洪水は二度と起こさない、という約束、つまり、神と人との間に交わされた契約があるにも関わらず、再び箱舟を建造する宗教的なメッセージとは一体何なのでしょうか。僕には、神の約束を疑い、洪水を恐れ、神に背いて勝手に箱舟を建築することは、神への反逆であるように思えるのですがどうなのでしょうか。

記事の続きを読みましょう。

世界は神が6千年前に6日間で創造したと信じるハムらのグループは、建設費約1億ドルを信者の寄付で賄った。同紙によると、建設に関わった従業員には「信仰の声明」にサインをさせ、教義に同意しない人や同性愛者は雇用しなかった。さらに、人工中絶賛成派、無神論者、同性愛者などの「悪」が「蔓延」する現代については、

「世俗化が進む今日は、まさにノアの時代に似通ってきている」(ハム)

と同紙に語っている。

この箱舟を建築するための費用は1億ドルだったと記されています。2020年8月27日の為替レート105.99円によれば、日本円でおよそ106億円です。

いかがでしょうか。「神のものを盗むな」と言って信者から強請りとった献金で贅沢な生活をし、余った金の使いみちとして選んだ結果が「ノアの箱舟建築」だったのです。僕なら到底納得のできる金の使い方ではない、と抗議するところでしょうが、強請りとるほうのセンスも最悪ですが、実際は取られる方も似たようなものです。次の発言を見てください。

南部テキサス州ダラスから来たという自称「イエス・キリストオタク」、パトリック・ブライデニック(52)は、記者のために祈りたいと手を握ったまま、こう言った。

「箱舟はあったのだと信じている。創世記が記された死海文書だって発見されている。紀元前のものだ。自分の中のイエス・キリストが、キリスト教のメッセージをいろんな人に伝えるようにと言うので、やって来た」

旧式のカメラを記者に渡し、記念撮影を頼んできた老夫婦も、満面の笑みで臆することなく言った。

「箱舟を信じているわ。一生の思い出になる」

テーマパークだと思っているようにしか聞こえません(笑)。

次の引用で今回の記事の締めとしておきましょう。

入館記念の合成写真を見ると、記者の横には、背に鋭いとげのある恐竜が、チーターやチンパンジーとともに写っていた。地球の年齢は約45億歳で、恐竜の時代には人類は誕生しておらず、動物は進化により種を増やしてきたという現代の常識は、館内では完全に無視されている。