キリスト教大辞典

キリスト教の問題点について考える

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アダムは本当に930年生きたのか

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創世記には、アダムが930年生きた、と書かれています。みてみましょう。

創世記 5:3-5

アダムは百三十歳になって、自分にかたどり、自分のかたちのような男の子を生み、その名をセツと名づけた。アダムがセツを生んで後、生きた年は八百年であって、ほかに男子と女子を生んだ。アダムの生きた年は合わせて九百三十歳であった。そして彼は死んだ。

アダムの他には、セツが912年、エノスが905年、カイナンが910年、ヤレドが962年などと記されています。

上に貼った「Did Adam Really Live 930 Years?」という記事では、ノアからモーゼまでの寿命データの変化が「生物学的半減期」と同じ曲線を示すことが指摘されてはいるのですが、本当にアダムが930年生きたのかそうでないのか、についての検証が行われているわけでは無いようです。

過去の記事、

christian-unabridged-dict.hatenablog.com

でも申し上げましたが、聖書には、ある事柄を禁じたり、ある事柄の結果だけを言い表して、その理由を述べないことがたくさんあります。同記事の、パン種の話でいえば、聖書ではしばしばパン種を「罪悪」の象徴として扱っていますが、その理由は一切説明されていません。いないので憶測するしかないのですが、おそらくは、出エジプトに際して、イスラエルの民は一丸となって緊張感を共有し、常に時宜を見計らっていなければならない、そういう非常時にパン種で膨らませたパンを焼くことは、時間の無駄であり、非常時に見合わない贅沢である、と考えられたわけです。だからパン種を家庭内に保存することさえいけないこととなり、パン種そのものが「罪悪」の象徴となったのだろう、と考えることができるのです。

それでは、アダムやノアやセツの年齢についてはどうなのでしょう。常識的に考えて、ほんの数千年の間に、人間の平均年齢が十分の一ぐらいになってしまうはずがありませんよね。

おそらくは、アダムやノアの頃は、人が生まれてどれぐらい経過したのかを「月数」で数えていたのでしょう。それであれば、アダムの930歳は、年齢で77歳、セツの912歳は年齢で76歳となり、そうおかしくはない数字となることがわかります。

「カイナンは七十歳になって、マハレルを生んだ」という記述があって、これは年齢に換算すると、およそ6歳ということになってしまいますが、6歳の少年の精通は絶対にあり得ないこと、と言い切ることはできないかもしれません。

創世記の続きを読んでみましょう。

創世記 6:3

「わたしの霊はながく人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の年は百二十年であろう」

この箇所以前は900歳ぐらいまで生きながらえていて、100~200歳ぐらいで子供を作っていたのですが、以降は最大120歳で死んでしまうことになった、と述べられています。

これは、寿命が変更されたのではなくて、スケールが変更されたのだろう、と考えるのが自然でしょう。月数ではなくて年数で数えるようになったのです。

現代でも、長寿であれば120歳という数字はあり得る数字であり、おそらく限界値でもあるだろうと納得することができます。