キリスト教の問題点について考える

キリスト教の問題点について考える

伝統的教派プロテスタント信徒が運営するキリスト教批判ブログです

キリスト教とアルコール

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プロテスタントって、お酒は禁止なんでしょ?

 

そう聞かれたことがありました。カトリックや正教などに比べて、プロテスタントは禁欲が強いられているようなイメージが強いようですが、実際には、プロテスタントだからといって、教義的な理由で飲酒を禁じている教派は無いと思います。

おそらく、プロテスタントはアルコール禁止、というイメージは、アメリカの禁酒法 によるところが大きいのではないでしょうか。

アメリカ合衆国における禁酒法 - Wikipedia によれば、

アメリカ合衆国史における禁酒法(きんしゅほう、英語: Prohibition)は、1920年から1933年までアメリカ合衆国憲法修正第18条下において施行され、消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止された法律である。「高貴な実験(The Noble Experiment)」(13年10ヶ月19日7時間32分30秒間)とも揶揄された。

 とあり、また、

1840年代に始まった禁酒法の運動は、敬虔なキリスト教の宗派、特にメソジストがその先鋒を務めた。禁酒運動は、1800年代後半には禁酒からアルコール摂取に関連した全ての振る舞いにまで拡大され、マーク・A・マシューズのような伝道師が、酒を出しているバーと売春を関連づけるようになっていく。

とあって、メソジスト教会の働きによるところが、大きくこの法の成立に関与したのだと説明されています。

また、キャリー・ネイション - Wikipedia なる人物が存在し、聖書を片手に、もう片方の手にはマサカリを持ってバーに押し入り、酒瓶を破壊して回った、とあります。

キャリーはカンザス州で破壊活動を続け、逮捕記録の伸びと共に名声も高まっていった。ウィチタでの襲撃の後、夫が次回は最大限の損害を与えるためにまさかりを使ってみてはどうかと冗談を言ったところ、キャリーは「結婚以来で一番まともな助言だわ」と応えたという。

一人で(もしくは賛美歌を歌う女性たちを伴って)彼女はバーに向かって行進してゆき、まさかりで備品や在庫を粉砕しながら歌と祈りを捧げた。1900年から1910年の間で、彼女は破壊行為(彼女はそれを"hatchetations"と呼ぶようになっていた。)により30回ほど逮捕されている。ネイションは巡業講演で得た報酬や土産用まさかりの売り上げ金で罰金を支払った。1901年の4月、ネイションは禁酒運動に対する広範な反対で知られていたミズーリ州カンザスシティに到着し、ダウンタウンカンザス・シティ12番街で何軒もの酒場に侵入しては酒瓶を叩き壊した。彼女はすぐさま逮捕され、500ドル(2006年の金額に直せば1万1500ドル)の罰金を科されると同時に、カンザスシティからの立ち退きと再度の入市の禁止を裁判官から命令された。

まあ、こんな感じで「プロテスタントは飲酒禁止」のようなイメージがついてしまったんでしょうね。民主主義のウィークポイントは、民衆の傾向には迎合せざるを得ない、というところにあるのかもしれません。たとえ気の狂った煽動家にであれ、大多数が踊らされている状況には追従するしかなかったのではないでしょうか。

「土産用まさかり」というところが現実的ですよね。

 

それにしても、

バーに向かって行進してゆき、まさかりで備品や在庫を粉砕しながら歌と祈りを捧げた。

 この記述によって、

アレクサンドリア図書館 - Wikipedia

しかし最悪の打撃は4世紀末以降のキリスト教徒による継続的な攻撃である。5世紀には当時のキリスト教大司教の使嗾のもとにヒュパティアの虐殺(415年)などを繰り返し、大図書館やムセイオンをも破壊した。

を思い起こします。

 

どうも、気に入らないものは破壊してしまえ、というのはキリスト教徒に共通の気質、ということのようですよ(笑)。