キリスト教の問題点について考える

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菜食主義者

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www.newsweekjapan.jp

ツイッターには菜食主義を主張する発言がありますが、かれらの多くは「無神論者」でもあります。

しかし、菜食主義の動機の多くは宗教的であるようにも思えます。

ja.wikipedia.org

には、

菜食主義は、ユダヤ人やキリスト教グノーシス体系の間ではポピュラーな思想であった。最初のキリスト教コミュニティの一つであるエビオン派は、菜食主義者だったと考えられている。ユダヤ人キリスト教徒カタリ派などの様なグノーシス派の一部は、歴史を通して菜食主義に固執した。

とあって、ユダヤ教キリスト教と菜食主義の関係が遠くないことを理解することができます。

また、

セブンスデー・アドベンチスト教会は、レビ記では、菜食主義を奨励し、豚肉の節制を当然のものとして、甲殻類や他の食品も「汚れている」ものとして排斥されるべきである、とされていると主張している。 

とも説明されていますが、レビ記を読みますと、

レビ記 11:2-4

イスラエルの人々に言いなさい、『地にあるすべての獣のうち、あなたがたの食べることができる動物は次のとおりである。獣のうち、すべてひずめの分かれたもの、すなわち、ひずめの全く切れたもの、反芻するものは、これを食べることができる。ただし、反芻するもの、またはひずめの分かれたもののうち、次のものは食べてはならない。すなわち、らくだ、これは、反芻するけれども、ひずめが分かれていないから、あなたがたには汚れたものである。  

のように、肉食は禁じられているのではなくて、食べても良い動物と、食べてはならない 動物を列挙して説明されているわけであって、「食べても良い動物」とは、食べたいなら食べてもいいよ、という意味ではなくて、生命を維持するためにそれらを食べなさい、という意味だと取るべきでしょう。聖書は肉食を禁じてはいない、ということです。むしろ奨励しているのです

また、同Wikiには、

一部のカリスマ運動家達は、生菜食主義が最初の人間とされているアダムとイブによる初の食物であり、エデンの園の様なパラダイスに永久に帰るのならば、その時はそれらに類似した食物に回帰しなければならないと信じている。

とあるのですが、アダムとイブは、園の中央にある木の実をとって食べるより前は、ものを食べる必要がなかったのですから、もはや人間はその状態に戻ることはできなくなってしまっているわけで、『エデンの園の様なパラダイスに永久に帰るのならば』というような仮定そのものがすでに意味のないことだ、ということになると思います。

無神論』というような論、そのものが、実は宗教的だと思います。『神は存在する』ということが証明できないのと同じように『神は存在しない」ということも証明することはできないからです。

僕であれば、おそらく神は存在しないであろうが、存在するかもしれない、と言うでしょう。神が存在するのであれば、被造物を教化するために、自然を顕したはずです。親子の関係もまた然りです。そうであるならば、親は子をして、生涯忠誠と恭順を示すことだけを善しとするでしょうか、違いますよね。早く親を離れて、健康に、世の中の役に立つ、一人前の人間に育つように、と願うでしょう。そのためには賛美歌や説教が必要でしょうか、トリエント・ミサや100年以上もかけて建造する聖堂は必要でしょうか。

菜食主義者の主張は熱心な宗教信者の主張とよく似ています。疑問を呈すると叩き潰そうとする、正論を投げかけても聞く耳を持たない、はては肉食者のせいで地球は破滅する、とまで言い出す、つまり極端なんです。カルト信者と同じですよね。

何事も程々が肝要です。菜食主義がNGとまでは言いませんが、他を罵ってまでやることではありません。

 『四旬節』という教会暦があります。復活祭前の一月ほどの期間で、イエス様の受難を記念し、旧約時代を象徴するとも言われていますが、正教会では『大斎(おおものいみ)』といいます。カトリック圏内では第二バチカン後は寛やかになったようですが、かつてはこの期間は厳格に肉食が禁止されていて、正教会圏内では、現在でも、最終的に乳製品まで一切の動物由来の食品を断つのだそうです。カトリック圏内ではかつて、この期間にはいる『灰の水曜日」の前の数日に『謝肉祭(カーニバル)』と言ってどんちゃん騒ぎをする俗習がありました。明日からはごちそうが食べられないので、今日のうちに思い切り食べておこう、というわけですよね。

しかし、だからといって、カトリック国でも正教国でも、四旬節や大斎の期間中は肉屋が休みになるかといえばそうではなくて、ずっと普通に営業していて売上も普段と同じだ、ということですから、まあ、推して知るべし、というところでしょう。

最後に、キャッチアイ画像を拝借したサイトから、少し引用しておきましょう。

しかし最近、ビーガンにとって衝撃的な発言が重なった。
まず、ビーガンの強い味方であるはずの「ホールフーズ」のトップが、大豆などで作った「ベジタリアン・ミート」(ベジミート)は「環境にはいいけど体には悪い」と発言したのだ。ホールフーズは、自然食品やベジタリアン食品などを扱う大手スーパーで、全米で展開する他、カナダや英国にも進出している。最高経営責任者(CEO)のジョン・マッキー氏は、20年にわたりビーガンを貫いている。
米国のビジネス専門ニュースチャンネルCNBCの中でミレニアル世代を対象としたサイトCNBC Make Itとのインタビューに答えてマッキー氏は、「かなり加工された食品を食べることが健康的だと私は思わない。無加工の食物を食べることで人は健康になるんだと思う」と述べ、ベジミートについて「健康のためには勧めない」と発言した。