キリスト教の問題点について考える

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判官贔屓とイエス・キリスト

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「竹のひと節 義経千本桜/忠信狐之段」 「河連法眼館」の場面。楊洲周延画。

ja.wikipedia.org

判官贔屓(ほうがんびいき)」という言葉をご存知でしょうか。判官とは源義経のことです。Wiki判官贔屓」では次のように説明されています。

判官贔屓(ほうがんびいき)とは、第一義には人々が源義経に対して抱く、客観的な視点を欠いた同情や哀惜の心情のことであり、さらには「弱い立場に置かれている者に対しては、あえて冷静に理非曲直を正そうとしないで、同情を寄せてしまう」心理現象を指す。「判官」の読みは通常「はんがん」だが、『義経』の伝説や歌舞伎などでは伝統的に「ほうがん」と読む。

一の谷、屋島、壇ノ浦と続けざまに戦果を挙げ、見事に平家を制圧した義経ではありましたが、兄、源頼朝からは憎まれ、とうとう自害して果ててしまうことになります。

その理由を同じくWikiから見てみましょう。

源義経治承・寿永の乱後半の平家追討において活躍したが、三種の神器のうち天叢雲剣を取り戻せなかったことや、兄である源頼朝の許可を得ることなく後白河法皇より左衛門少尉、検非違使に任じられ、頼朝の家来である御家人を使役・処罰するなどの独断専行を行ったことが頼朝の反感を買った。さらに義経の上官として平家追討を指揮した源範頼や、頼朝が義経のもとに奉行として派遣した梶原景時が、平家追討後の義経の傲慢な振る舞いについて訴えたことで頼朝の心証は一層悪くなった。頼朝の怒りを知った義経は起請文を献じて弁明したが、「これまで勝手にふるまいながら、いまさらあわてて弁明しても、もうとり上げることはできない」、「こちらが不快に思っていると聞いてはじめて、こうした釈明をするのではとても許せない」と、かえって怒りを増幅させてしまった。

義経と頼朝の間にあった様々な事柄は、いろいろな文書に残っていて、それらを多角的に知ることができます。例えば「平家物語」では、客観的に淡々と壇ノ浦までの義経の事績が述べられていますが、九条兼実の日記「玉葉」では、頼朝寄りの位置からの記録があり、作者不詳の軍記「義経記」にはイジメの被害者としての義経が描かれています。その他、「吾妻鏡」、「源平盛衰記」などからも、その事績を知ることができます。

演劇作品の主題としても多く扱われていて、能では「安宅」、「屋島」、「橋弁慶」など、人形浄瑠璃では「義経千本桜」、「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」など、歌舞伎では「勧進帳」などがあります。

このように、様々な別人による義経に関する記録が残っていて、それぞれ、別の角度から義経という人物を照らし出しているので、人物像が立体的な具体性を持って活き活きと描き出されていて、それが演劇などに反映される、という結果を生み出しているわけです。

さて、このことを念頭に置いて、イエス様について考えて見ますと、やはりその傍証の少なさ、ということを思わざるを得ないのではないでしょうか。Wikiの「ナザレのイエス」には次のような説明があります。

キリスト教徒による一次史料は少ない。

エスの名前が初出するキリスト教外の文書では、フラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古代誌』(18:63)やタキトゥスの『年代記』などのごく一部にイエスに関する記述があるが、前者は後代の一部加筆を疑われており、後者は同時代史料でないばかりか、キリスト教徒(「クレストス」を開祖とする宗教)に言及したものである。したがって、イエスの実在性の根拠とするには問題を含んでいる。

いかがでしょうか。福音書には「エジプトへ戸籍登録に行った」と書かれていますが、エジプトからはそのような記録が出てきません。「ローマ軍による正式な裁判の被告となった」と書かれていますが、ローマ帝国の資料にはそのような記録が存在しません。

エス様については、事実上、福音書で一方的に事績が主張されているだけなのです。平面的で具体性にかけている、と言うべきでしょう。実際のところ、実在したとはちょっと考えられないですよね。

つまり、キリスト教という宗教にとって、イエス様が実在していたかどうかはそれほど重要な問題では無い、ということなのです。建造物と儀式と教義の三点セットさえあればカネが集まってくる。実際にはこれだけのことなんですよ。実体は商業なのです。一応教祖も必要だよね、ということで創作された架空の存在に過ぎないのです。

イエス・キリストは実在した、というよりは、チンギス・ハーンは実は源九郎判官、伊予守、義経だった、という方がまだ「へー、そうかもね」とうなずいてみる価値があると思います(笑)。