キリスト教の問題点について考える

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魔女

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女王(魔女)|キャラクター|ディズニーヴィランズ|ディズニー|Disney.jp|

 

出エジプト記に、次のような記述があります。

出エジプト記 22:18

魔法使の女は、これを生かしておいてはならない。

この「魔法使」という言葉は、欽定訳聖書の誤訳であって、原語の意味を正しく取れば、「女呪術師」とするべきで、共同訳ではそのように表現されています。

欽定訳の間違いばかりが原因ではないのでしょうが、中世ヨーロッパでは「魔女狩り」が行われて、多くの人がその犠牲になっています。

出エジプト記で言われている「女呪術師」は、その行うところの「呪術」が本物の呪術であって、その結果が及ぼす効果を恐れて「これを生かしておいてはならない」と定められているのでしょうか。

よく知られているように、旧約聖書の元となった参考資料については、ハンムラビ法典などがありますが、Wikiの「魔女狩り」に次のような記述があります。

ギリシア語パルマコン (pharmakon) は医薬と毒薬という両義性をもつ言葉で、これから古代ギリシアで妖術に相当するパルマケイア (pharmakeia) という言葉が派生した(パルマケウス pharmakeus、女性形パルマケウトリア pharmakeutria は薬師、毒殺者、妖術師を意味する)。イオニアの古代都市テオースで、毒ないし悪しきまじない (pharmaka deleteria) で人や国家に危害を加える者は死すべし、という禁令があったことを示す史料があり、他の都市にも同様の掟があったと考えられる。 

殺人やテロ行為を請け負って金儲けをするものがいた、ということですね。本物の呪術師を恐れているわけではなくて、呪術と見せかけた犯罪について言及しているのです。

周辺諸国の洗練された法令を参考にして、イスラエルの律法にも、これを禁じる一文を組み込んだわけであって、「女呪術師を生かしておいてはならない」 とは、殺人罪を犯したものは死刑にせよ、国家の安定を揺るがそうと企てるものは死刑にせよ、という意味であったわけです。

しかし、キリスト教徒とは、聖書の説く本意を知ることができない人ですから、ついつい字面に対して幼稚な反応をしてしまいます。

同じく、Wikiの「魔女狩り」から引用してみましょう。

裁判において訴えられた者が魔女であるか否かは取調べによって明らかにされた。取調べでは拷問が用いられることもあり、最も残酷なものとしては熱い釘をさしたり、指を締め上げたりといった恐ろしい方法も用いられた。ただ、このような拷問が全員に対して行われたわけでなく、拷問の使用の是非は地域や取調官の性格によっていた。たとえば清教徒革命の時代(17世紀)にイギリス東部で「魔女狩り将軍」を名乗ったマシュー・ホプキンスなる人物がいた。かれは魔女と思しき人物を探し出し、体にある「魔女のしるし」を見つけては魔女であることを確定していた。ホプキンスは魔女狩りの歴史において最悪の「魔女発見人」の一人であるが、かれの取り調べた件であっても、訴えられた人がすべて魔女とされたわけではなく、無罪放免になったケースも多かったことが明らかになっている。ただ、このホプキンスの魔女に対する取調べでは、残酷な拷問が用いられたり、魔女であることの証明を得るため、拷問によって本人の自白を得るか、知人や隣人に証言させるという方法を用いたことが知られている。

「そんな話は昔のこと」とは言い切れないと思いますよ。ネットには、現代のマシュー・ホプキンスが結構いるように思います(笑)。