キリスト教大辞典

元クリスチャンによるキリスト教の批判的概解説

ラザロの復活

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福音書には、イエスが死者を墓から蘇らせたと記されています。見てみましょう。

 

ヨハネ福音書11:43-44

こう言いながら、大声で「ラザロよ、出てきなさい」と呼ばわれた。すると、死人は手足を布でまかれ、顔も顔おおいで包まれたまま、出てきた。イエスは人々に言われた、「彼をほどいてやって、帰らせなさい」。

 

話がややこしくなりますので、ここでは仮死状態だったんじゃないか、とか、示し合わせて小芝居打ったんじゃないか、とかは言わずに、素直にイエスが超能力でラザロを死から蘇らせたのだ、と信じることにしましょう。

 

さて、そうだとすると、問題になることがありますね。生き返る直前に、ラザロはどこにいたのでしょうか。天国ですか?それとも地下の義人たちと一緒に眠っていたのでしょうか?

 

新約は、イエス・キリストの復活を持って効力が生じますので、それまではまだ旧約です。ですので、洗礼者ヨハネ、マリアの父母、ヨアキムとアンナ、それにこのラザロなどは旧約時代の人であって、正教やカトリックでも旧約の聖人ということになっています。ですので、新しい都イエルサレムである、天上の教会、すなわち天国は、この時点ではまだ展開されていないことになるでしょう。しかし、ラザロはどこから蘇って来たのかの説明はありません。 イエスもラザロ本人も何も言っていません。

 

おわかりでしょうか、福音書でイエスは、人は、死んだあと生前の行状によって天国か地獄へ行くのだ、などとは一言も言っていません。黙示録にそのようなことが書いてある、という人がいるかもしれませんが、黙示録はイエスの言葉を記したものでは無いのです。そういう決まりがあるのなら、福音書でイエスに言わせねばなりません。あまつさえ、福音書なんてただの伝説、事実じゃないから4つもあるのです。ただの参考資料なんです。それなのに、一言もそんなことは記録されていない。福音書が書かれたときに、そんな思想は無かった、というところが事実だからでしょう。

 

ローマの国教として整えられる過程で、ミトラス教やギリシャ神話、ゾロアスター系の信者たちが、死んだあとは天国か地獄に決まってんだろ、と突っ込んだので、無理くりそういうことにした、ってところでしょうね。

 

次回は、キリスト教の天国の無茶苦茶な定義について説明しましょう。