日本キリスト教団は、プロテスタント教会の組合のようなものです。色々な教会が参加しています。
その中で、なかなかユニークな教会がありますのでご紹介しましょう。京都府長岡京市の「チャペル福音館」です。
「チャペル福音館の礼拝とは」から引用しておきましょう
聖餐式を中心とする礼拝は典礼重視なので、カトリックや聖公会のような形態をとります。
式文は日本基督(キリスト)教団、カトリック、聖公会の式文、
さらにリマ式文から牧師の神学的解釈を加えたチャペル福音館独自の式文を使い、
式文に則って礼拝をします。
香炉も振り、常に礼拝堂は香の香りに包まれています。
カンパヌラ(小鐘)も鳴らします。
牧師はカトリックや聖公会の祭服も着ます。
これらの祭服の大半はカトリックの典礼センターピエタのシスター達が、
一針一針真心を込めて廣畑牧師の為に作成して下さったものです。
これは目に見える福音です。
そして礼拝では、説教で聞いたみ言葉ついて黙想する時を必ず持ちます。
これは非常にプロテスタント的で、ルターの精神にも則っています。
黙想会を中心とする礼拝は静かな流れの中で神と向かい合う、祈りを中心とした礼拝です。
使徒信条、主の祈はもちろん、
カトリックのように天使祝詞(聖母マリアへの祈り)も祈ります。そしてここでもまた、聖書の解き明かしを聞いて、
分かち合うというプロテスタントの讃美歌も使いますが、
カトリックの讃美歌(典礼聖歌など)も使います。これらは決してカトリックの真似事ではなく、廣畑牧師が苦しみと悲しみの中で到達した信仰、
それが典礼を大切にすると言う信仰であったからです。
つまり、典礼を重視する信仰に救われたのです。カトリックに対する深い憧れと尊敬を持つ廣畑牧師ですが、
(カトリックも100%ではなく、まだまだ改革されなければならないであろうことも、
十分承知しております)
同時にルターの改革者としての精神をこよなく愛し、尊敬しているのです。
元来カトリックの伝統は決して福音から逸脱するものではないどころか、
福音そのものから来ているものでもあり、深い信仰を持った修道者であった宗教改革者 ルターの、
「聖書のみ、信仰のみ」の精神と全く対立するものではないと確信しているからです。
むしろ、典礼は霊性を高めてくれるものなのです。そして今の教会に必要なもの、それはカトリックの伝統から培った深い信仰と、
ルターの真の改革者としての精神なのであり、
それこそが今の停滞した教会を刷新してくれ、生きたものとしてくれると信じているからなのです。
それをまさに実践しているのが、チャペル福音館の礼拝です。典礼を大事にされる教職・聖職【日本基督(キリスト)教団、日本福音ルーテル教会、カトリック、聖公会】
の方々とのつながりがあり、
典礼を通して教派を越えた一致を目指しているのです。従ってチャペル福音館は、非常にカトリック的でもあり、プロテスタント的でもある。
また、カトリックでもなく、プロテスタントでもない。
つまり、枠を取っ払ったユニークな礼拝ですが、
これはキリスト教の原点、純粋そのもののような礼拝作りをしているという事であり、
現代のカトリックが説教の重要性を見直し、
プロテスタント教会が典礼(礼典)の重要性を見直している、
現代の教会の流れにまさに合致したものなのです。
色々な教会があって面白いですね。